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庭と生活

執筆者の写真: suzukigardensuzukigarden

更新日:2023年5月14日


庭と生活


庭は家を構成する一部なのだと。

そんな話を少しさせてください。


建物・庭・外構の全てが生活と密接に関わってきます。

ただ、家を購入する場合ハウスメーカーや設計事務所が主体となり進めていきますので、

どうしても庭や外構が後回しになってしまうのが現状です。

そのため、造園工事を依頼されるタイミングとして、

家の設計が出来ていて、着工も決まっている、または完成している事がほとんどです。

しかし、庭や外構もとても重要な家を作る要素なので本来は全て含めて設計していく事が望ましいと考えています。


リビングをどこへ作るか、寝室はどこか、お風呂に窓をつけるのか、など間取りを考えたとき、その部屋の窓の外に何があるのか、その窓を開けることが出来るのかは生活するうえでとても重要な要素となるのではないでしょうか。


”リビングは南向きに、広く開かれた側に大きな窓を”

この定説は決して正しいとは言えないのではないでしょうか?

造園屋からの視点で考える家の話・設計の話を少しさせていただきたいと思います。



まずは立地について少し考えてみましょう。

家を建てる場合に立地はとても大事な要素のひとつです。

家に面した通りの人通りはどのぐらいなのか、南側はどっちなのか、様々な要素ががあります。

陽が入る事はとても大事ですが、南側が人通りの多い道だった場合、その窓のカーテンを開けることは出来るのでしょうか?

立地を無視して先ほどの定説をあてはめてしまうと、南が通り側だった場合、視線を気にせずに窓を開けて生活することは難しいでしょう。

では目隠しをしようとフェンスなどを設置した場合、今度はせっかくの陽の光が入ってこなくなってしまいます。

開け放った窓からリビングに抜ける風、庭に植えた木々が窓から見える生活。

立地をよく見て、その場所にあった窓の位置、リビングの向きを吟味してほしいのです。

たとえば北側には建物が無く、視線を感じることの無い場所だったら北側に窓を設置してもよいのでは無いでしょうか?


以前プランニングさせていただいた家は当初の図面は南向きのリビングでした。

現地へ伺い拝見させていただいて驚いたのは、北側の見晴らしのよい景色でした。

そこには公園があり、見えるのは遠くの山と空でした。

しかも通り側は道路が下がっていて公園も建物の距離からは視線に入らないのです。

それに引き替え南側は隣の家がすぐ目の前です。


建物の設計が進んでいる中でためらいもありましたが、

この土地の北側からの景色のお話をさせていただきました。

そしてお庭の使い方や要望などを伺い、今後の生活のスタイルやお庭での過ごし方を考えるならば

「北向きのリビング」を設計士に相談してもよいのでは、とご提案させていただきました。

北向きは想定に無かったと驚かれましたが、カーテンを開けて開放的に生活できる事に

とても興味を持っていただき、設計を変えて進めて頂いた事があります。


庭をどのように使うのか、どのような生活を家にもとめるのか、家の中だけで過ごすだけならマンションでもよいはずです。

一軒家のメリットは建物の外も含めた空間を使って生活することだと考えています。

カーテンを開けて生活をしたい場合どうすれば視線を気にせずくつろげるのか。

庭をどこへ作るのか。

土地の購入時から庭造りは始まっているのです。


建築目線だけでは無い、家への向き合い方。

造園屋が考える家での過ごし方。

土地の購入後、庭をどのあたりに作るのかなど、ご要望を伺いながら、

建物の設計時に同席しながらプランニングを進めていくことも可能です。


”庭と生活”


庭は嗜好品では無く、生活必需品であると言うことを皆さんに知って頂きたい。


今回は立地の重要性をお話しさせていただきましたが、今後はどのように生活と庭が結びついているのかをお話しさせていただきたいと思っています。

より豊かな日々のために。


つづく

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