「縞鋼板(しまこうはん)」という鉄板を使い、庭に園路を作成しました。
元々は「日照条件が悪く芝が枯れてしまった箇所をどうにかしたい」というご相談で
・石で園路を作る
・デッキを延長させる
・砂利を敷く
など様々なご提案をしながら、打ち合わせを重ねました。
その中で、お客様からある一言が。
「実は、鉄の錆びた質感や色合いが好きで。建築時にハウスメーカーさんにお庭を作ってもらう際も、本当は鉄を使ったデザインにしたかったんです。」
しかし、扱い慣れていない素材への抵抗や、無難にというところで却下されてしまったと・・・
「無理だと思うけど、鉄って使えますか?」
その言葉に、僕はなんだかワクワクしてしまいました。
さっそく鉄素材について研究し、錆を出す処理の具合を熟考。
試行錯誤を通じて、お客様の好みに合った鉄の質感を出す事ができました。
薬剤を使い、錆を進行させてからブラシで表面を削り、錆を慣らし磨く。
最後にバフ掛けをしたら雰囲気のある色合いに。
表面に車の塗装などにも使われるウレタン塗装を施して、強度を高めた鉄板が完成しました。
「セランガンバツ材」と合わせてデッキを作成。
両脇には「スコリア」という伊豆で採れる溶岩石の砂利を敷き、色のコントラストを出しました。
少し奇抜に感じるかもしれませんが、鉄は意外と植物との相性は凄くいいんです。
今後はデッキの脇に植栽を施す予定なので、より庭に馴染んでいくでしょう。
お客様にも満足していただき、僕もとても楽しく勉強させていただきながら施工ができました。
庭のご相談を受ける際にはいつも、「庭や植物と関係がなくても構わないので好きな物や雰囲気、色、なんでも好みを教えてください」とお願いしています。
無数に広がったキーワードの中に、「自分らしい庭」をつくるヒントがあります。
庭作りは自由、可能性はいくらでもある。
お客様の希望を形に変えるのが僕の仕事です。
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